SUSTAINABLE TEXTILE MAGAZINE – Vol.09

ストーリー

“織るか、編むか。”

— 布帛とカットソー、生機の話。

「布」とひとことで言っても、
その“できあがり方”によって、
まったくちがう性格をしています。

織る=布帛。編む=カットソー。

服に使われる布は、大きく分けて**「織る」か「編む」か**のどちらか。

  • 織る=布帛(ふはく):タテ糸とヨコ糸を交差させてつくる
    → ハリがあり、きちんとした印象
  • 編む=カットソー:糸をループさせてつくる
    → 伸びがあり、リラックス感が出る

同じ素材でも、構造の違いだけで印象も着心地も大きく変わるんです。

布帛の世界:織りのパターンがつくる表情

布帛は、タテ糸とヨコ糸の交差の仕方=織り組織によって、表情が変わります。

  • 平織り:最も基本的な織り。通気性がよく、シャリ感のある肌ざわり
  • ツイル(綾織):斜めの畝が特徴。丈夫でなじみやすく、パンツなどにも使われる
  • サテン:光沢感があり、なめらか。フォーマルやドレッシーな印象に
  • ジャガード:柄を織りで表現する技法。立体感があり、織りならではの奥行きを持つ

同じ糸でも、どう織るかで「まったく別の布」になる。
だからこそ私たちは、仕上げではなく構造から選ぶようにしています。

カットソーの世界:編みのパターンが生む着心地。

カットソーは、糸をループ状につなげていく編み構造。柔らかさと伸縮性が魅力です。

  • 天竺(てんじく):最もベーシックな編み。Tシャツの定番で軽やかな風合い
  • フライス:リブ編みで、横方向の伸びが強く、フィット感に優れる
  • スムース:両面編みで厚みがあり、やわらかく高級感のある肌ざわり
  • 裏毛:表は天竺、裏はパイル状。いわゆる“スウェット生地”に多用される、保温性と吸水性が特徴

カットソーは、着る人の動きと寄り添う布
だから私たちは、「何をつくるか」だけでなく、「どう着られるか」から逆算して選んでいます。

私たちは、布帛にもカットソーにも100%オーガニックコットンを使用しています。
また、化学繊維を使うときも、リサイクル原料か生分解性素材のみ

どんな風合いに仕上げるか以前に、
「どんな背景のある糸で布を織る(編む)か」が大事だと考えているからです。


加工前の布=生機(きばた)って?

生機とは、織ったり編んだりした直後の“素の布”のこと。
まだ染めも整理もされていない、いわば**「布のすっぴん」**です。

  • 少し毛羽立ちがあったり
  • 織りムラが目に見えたり
  • でも、そこにしかない手の跡や空気感がある

私たちは、この生機の段階で**「この布はどう仕上げるのが自然か」**を見ています。

サステナブルって、布の構造にも現れる。

布の「構造」をきちんと考えることは、サステナビリティにもつながります。

  • カットソーにすることで縫い代や工程が減らせることも
  • 布帛にすることで長く形が保たれる設計が可能なことも
  • 生機の時点での風合いを活かせば、加工が最小限で済むことも

素材の持っている力を活かす=余計なことをしない。
それが、私たちの考える“構造からのサステナブル”です。

布って、縫われる前からすでに語りはじめています。

色や形よりも先に、“どう布にしたか”が、着心地を左右することだってある。
だから私たちは、その声を聞き逃さずに、布をつくり、選んでいます。