“布って、こんなに手がかかってるんです。”
— 和晒し加工と、二重ガーゼの話。
目立たないけど、昔からずっと身近にあった布。
包帯や布巾、肌着や寝具。
“裏方”として、人の暮らしを静かに支えてきた素材――それがガーゼです。
軽くて、やわらかくて、空気を含んで。
気取らないけれど、どこかやさしくて、誠実。
でも今、その“ガーゼ”が、
ちょっとした進化と、確かな技術で“主役”になりつつあるのです。
あえて、ガーゼ。
「やわらかいけど、弱そう」
「肌ざわりはいいけど、シワになりやすい」
そんな声も、たしかにあります。
けれどそれは、見えている“ガーゼの半分”だけかもしれません。
いま私たちが注目しているのは、
**「二重ガーゼ × 和晒し加工」**という、手間ひまのかかった布づくり。
ふわっとした見た目に、きちんと理由がある。
そんなガーゼの“本気”を、ちょっと覗いてみてください。

二重ガーゼという設計。
一枚のガーゼではなく、二枚を重ねてひとつの布に仕立てたのが「二重ガーゼ」。
- 空気を含みやすく、やさしいのに意外とタフ
- 通気性があって、吸湿性も高く、しかも乾きが早い
- 着心地だけじゃなく、機能性もきちんとある
暑い日にも寒い日にも、
ちょっと無理をした日の夜にも、
寄り添ってくれる、やさしい設計です。
和晒し加工という、時間のかけ方。
ガーゼの心地よさを、さらに引き出すのが「和晒し加工」。
これは、江戸時代から続く昔ながらの晒しの方法で、約48時間かけて
布の中にあるロウ分や不純物を、じっくり丁寧に取り除いていきます。
今の大量生産では、数時間で終わる“洋晒し”が主流。
でも和晒しは、あえて時間をかけることで、繊維を傷めず、やわらかさと風合いを保つ。
派手ではないけれど、“贅沢ってこういうことかも”と思わせてくれる工程です。
ガーゼの弱点、どうしてる?
たしかに、ガーゼには弱点もあります。
毛羽立ちやすい。伸びやすい。シワになりやすい。
でもそれを理由に「やめよう」とは思いませんでした。
代わりに私たちは、工夫で乗り越えることを選びました。
- 巻き縫いや袋縫いで、負荷のかかる部分を補強
- 縫い代が肌に当たらないよう、設計そのものを調整
- 洗濯でもへたらないよう、縮率や収縮を事前にコントロール
つまり、「繊細だけど長く着られる」ガーゼを、
ちゃんと“服として成立する布”に仕立てているというわけです。
なぜVIRI-DARI DESERTAは、手間のかかる布を選ぶのか。
答えはシンプルです。
「ちゃんとした素材には、ちゃんとした背景があるから」。
ガーゼは、ただ気持ちいいだけの布ではありません。
- 日本に古くからある技術
- 今なお職人の手で守られている工程
- そして、時間と手間をかけることでしか生まれない感触
そういった背景があるからこそ、私たちはこの布を、**“未来に繋いでいく価値のある素材”**だと感じています。
心と身体の余白に寄り添う布。
ガーゼは、テンションの上がる“ファッションアイテム”ではないかもしれません。
けれど、自分らしくいられる時間を支えてくれる布です。
がんばった日の夜に、
少しだけ立ち止まりたいときに、
ふっと手に取ってしまうような存在。
それが、VIRI-DARI DESERTAがつくる二重ガーゼの服。
ぜひ一度、その“静かな贅沢”を味わってみてください。